公的年金のしくみ|国民年金と厚生年金の違いを整理

公的年金のしくみを、国民年金と厚生年金の2階建て構造から整理します。加入対象や保険料の違い、老齢年金の受給要件、ねんきん定期便で確認できる情報を紹介し、制度改正に備えて公式情報を確認する重要性を解説します。
Ioana Popescu 27/08/2026 17/09/2026
公的年金のしくみ|国民年金と厚生年金の違いを整理
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公的年金のしくみは、国民年金と厚生年金という2つの制度が重なる「2階建て構造」で理解すると整理しやすくなります。1階は20歳以上60歳未満の人が加入する国民年金、2階は会社員や公務員などが上乗せで加入する厚生年金です。加入する制度によって保険料の負担方法や将来受け取る年金の種類が変わるため、まずは自分がどの立場にあたるかを押さえておきましょう。老後の生活設計を考えるうえでも、公的年金がどのような仕組みで運営され、どのような給付があるのかを正しく理解することが第一歩です。あわせて、国民年金と厚生年金のどちらに加入しているかによって、将来受け取れる年金の組み立て方が変わる点も意識しておくと、後の確認作業がスムーズになります。

公的年金の全体像と2階建て構造

公的年金は国が社会保障として運営する制度で、1階の国民年金と2階の厚生年金からなる2階建て構造とされます。国民年金は20歳以上60歳未満の国民が共通して加入する土台であり、厚生年金は会社員や公務員が上乗せで加入する部分です。この2階部分まで含めて「公的年金」と呼び、企業年金や個人年金などの私的年金とは明確に区別されます。私的年金は加入が任意であるのに対し、公的年金は法律に基づいて加入が義務づけられている点が大きな違いです。

運営は「世代間扶養」の考え方で成り立ち、現役世代が納めた保険料を高齢者への給付に充てます。実際には保険料のほか、税金や年金積立金も充てられており、単純に現役世代の負担だけで支えられているわけではありません。賦課方式と呼ばれるこの財政方式のもとでは、現役世代の人口構成や経済状況が給付に影響します。私的年金は企業や個人が任意で加入するもので、公的年金とは位置づけが異なります(マネコミ!┃東京海上日動あんしん生命保険)。

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受給額を考える前提として、まずは繰下げ受給の考え方も踏まえ、ねんきん定期便などでご自身の記録を確認しておきましょう。公的年金の財政方式は賦課方式と呼ばれ、現役世代の保険料がその時点の高齢者への給付に充てられる仕組みです。経済変動の影響を緩和するために過去の積立金も活用されており、将来的な給付水準の見通しは公式の財政検証などで示されます。

国民年金の加入対象と被保険者の3区分

国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満の人が加入する義務のある制度で、すべての年金の土台となることから「基礎年金」とも呼ばれます。加入者は3つの区分に分かれ、第1号被保険者は自営業者・フリーランス・学生など、第2号被保険者は会社員や公務員など、第3号被保険者は第2号被保険者に扶養されている配偶者です(野村の確定拠出年金ねっと)。この3区分は、保険料を誰がどのように負担するかを整理するうえで欠かせない分類です。

第1号被保険者は保険料を自身で納めます。保険料は所得にかかわらず一律で、毎年見直されます。経済的に納付が難しい場合は、所定の手続きにより免除や猶予の制度を利用できます。第3号被保険者は個人として保険料を負担する必要がありません。第2号被保険者は国民年金と厚生年金の両方に加入し、厚生年金の保険料に国民年金分が含まれる形で納付します。

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家計の見直しとあわせて、家計管理の基本を整理しながら、ご自身がどの被保険者区分に該当するかを確認しておくとよいでしょう。区分によって保険料の負担方法や手続きが変わるため、配偶者の扶養に入っているかどうかなど、家族の状況も踏まえて整理することが大切です。区分を誤って理解したままでは、将来の受給額の見積もりにもずれが生じかねません。

厚生年金の加入対象と保険料の負担方法

厚生年金の対象者と加入のタイミング

厚生年金は、民間企業の従業員や公務員などを対象に、国民年金に上乗せして給付される制度です。加入に年齢の定めはなく、就職して厚生年金の適用を受けると自動的に加入します。自営業者や学生は第1号被保険者として国民年金のみに加入しますが、会社員や公務員は第2号被保険者となり、国民年金と厚生年金の両方に加入する「2階建て」の構造になります。パートやアルバイトであっても、勤務先の社会保険に加入していれば第2号被保険者に該当します。

保険料の計算と負担方法

厚生年金の保険料は、標準報酬月額に一定の保険料率を掛けて計算されます。この保険料は勤務先と従業員で折半し、従業員が負担する分は毎月の給与から天引きされます。標準報酬月額は、毎年4月から6月の報酬額を平均して決定されるのが一般的です。国民年金の保険料が所得にかかわらず一律であるのに対し、厚生年金は収入が高いほど保険料も上がる仕組みです。その分、将来受け取る老齢厚生年金の額にも反映されます。加入期間や在職中の給与水準によって給付額が変わるため、自分の加入記録はねんきん定期便などで確認しておくとよいでしょう。制度は改正されうるため、最新の情報は日本年金機構など公式の案内で確認してください。

国民年金と厚生年金で受け取る年金の違い

老後に受け取る公的年金は、加入していた制度によって内容が変わります。国民年金に加入していた人は老齢基礎年金を受け取り、厚生年金に加入していた人は老齢基礎年金に老齢厚生年金が上乗せされます。この上乗せ分が2階部分にあたり、公的年金のしくみを2階建てと呼ぶゆえんです。国民年金だけに加入していた期間が長い人ほど、受け取る年金は基礎年金の部分が中心になります。反対に厚生年金の加入期間が長い人ほど、上乗せ部分の比重が大きくなります。

厚生年金の上乗せ額はどう決まるか

老齢厚生年金の額は、在職中の給与水準と加入期間などによって決まります。国民年金の保険料が一律であるのに対し、厚生年金の保険料は報酬に応じて変わるため、受け取る額にも差が生じます。転職や独立で厚生年金を途中で脱退しても、加入していた期間分は支給されます。独立して国民年金に切り替えた場合でも、それまで厚生年金に加入していた実績は老齢厚生年金として残ります。加入期間の長さと報酬の水準という2つの要素を、自分の経歴に照らして確認してみましょう。

自分の年金額を確認する

受給額の目安は、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」で確認できます。50歳以上では年金見込額が記載され、59歳の節目年齢では最終チェックとして加入履歴を詳しく確認できます。国民年金分にあたる老齢基礎年金は納付期間に応じて計算され、40年間すべて納付した場合の満額を基準に、納付期間が短いほど減っていきます。制度は改正されうるため、最新の内容は日本年金機構などの公式情報で確かめましょう。

老齢年金以外の給付と繰上げ・繰下げ

公的年金は老後の生活保障だけを目的とした制度ではありません。重い病気やケガで障害を負ったときは障害年金、加入者が亡くなったときは遺族年金が支給されることがあります。現役世代のうちに万が一の事態が起きた場合にも、要件を満たせば本人や遺族の生活を支える給付が用意されている点が、公的年金の重要な役割です。老後に備えるという視点だけでなく、現役世代のリスクに備える制度としても捉えておきましょう。

老齢年金の受給要件

老齢基礎年金は、保険料の納付済期間と免除期間を合計した受給資格期間が10年以上ある場合に、原則65歳から支給されます(SBIいきいき少短)。障害基礎年金や遺族基礎年金にもそれぞれ受給要件があり、保険料の納付状況が影響します。未納期間があると給付を受けられない場合もあるため、納付状況を日頃から確認しておくことが大切です。受給資格期間を満たしているかどうかは、ねんきん定期便でも確認できます。

繰上げ・繰下げの増減

受給開始は希望により60歳から64歳に繰り上げることも、75歳まで繰り下げることもできます。繰上げは1か月につき0.4%減額され、繰下げは1か月につき0.7%増額されます(同)。受給開始を遅らせるほど1回あたりの年金額は増えますが、その分受け取れる期間は短くなる点も理解しておきましょう。どちらが有利かは、健康状態や生活費の状況によって変わります。

注意したいのは、繰上げ受給の減額率は生涯変わらず、請求の取り消しができない点です(中央ろうきん)。また、繰上げを選ぶと障害基礎年金を受けられなくなる場合があるなど、年金以外の給付にも影響が及ぶことがあります。どちらを選ぶかは、健康状態や働き方、他の収入とのバランスを踏まえて検討する必要があります。迷ったときは、受給開始後の家計の変化も含めて比較してみましょう。

ねんきん定期便で受給額を確認するポイント

受給額の見通しは、ねんきん定期便で確認できます。日本年金機構または共済組合から毎年誕生月に郵送され、50歳未満はがき、50歳以上は年金見込額、35歳・45歳・59歳は封書で全期間の年金記録情報が届きます1。特に59歳は最終チェックとして重要で、転職や氏名変更があった人は入社・退社の履歴に注意し、記録の漏れや誤りがないか確認しましょう。年金見込額は、現在の加入条件が60歳まで継続すると仮定して計算された目安である点にも留意してください。制度は改正されうるため、最新の内容は公式情報で確かめてください。

公的年金のしくみは、国民年金を土台に厚生年金が上乗せされる2階建て構造として捉えると整理しやすくなります。加入する制度や被保険者の区分によって保険料の負担方法が異なり、受け取る年金の種類や額にも差が生じます。まずは自分がどの区分に当てはまるかを確認し、ねんきん定期便などで加入記録と見込額を定期的にチェックしておくことが大切です。年金制度は改正されうるため、制度の詳細や最新の保険料・年金額は必ず公式情報で確認しましょう。

著者について

Ioana PopescuはColorado Futureの金融分野の編集者です。クレジットカード、住宅ローン、年金、投資、家計管理などのテーマを、専門用語にたよらずわかりやすく解説しています。日本の読者に向けて、身近な例や比較するときの確認点、制度の背景を整理し、お金についての理解を深めるお手伝いをしています。

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